カリウム


カリウムを含む食品

カリウムは野菜をはじめとした多くの食品に含まれているので、摂取するのは比較的容易です。

しかし、カリウムは熱に弱く、調理により損失する割合の多いミネラルです。調理する食材や調理方法、調理時間などの条件にもよりますが、一般的にゆでた場合は30%程度、損失するといわれています。たとえば、カリウムが100gあたり490mgあったほうれんそうを蒸留水で1分ゆでると、208mgまで減ってしまいます。これは60%近い損失率です。

ですから、生野菜や果物のように、熱を通さないものなら問題ありませんが、熱を通すような調理方法を摂る際には、常にカリウムが損失することを考慮する必要があります。

カリウムを含む代表的な食品には、野菜類、きのこ類、豆類、種実類、藻類、魚介類などがあります。

具体的には、100gあたり干しずいきは10000mg、切干しだいこん3200mg、いんげんまめ1500mg、アーモンド770mg、わかめ5200mg、ほしひじき4400mg、かたくちいわし(煮干し)1200mg、かつお節940mgなどです。

意外に多いのがし好飲料頚のインスタントコーヒーや抹茶、ココアです。100gあたりインスタントコーヒーは3600mg、抹茶は2700mg、ピュアココアは2800mg含んでいます。 


カリウムは1日にどれだけ摂ればいいのか

カリウムを1日にどのくらい食事から摂ればよいのかを示した食事摂取基準は、下記の表のとおりです。表のようにカリウムの摂取基準には、目安量と目標量が設定されています。

目安量は、特定の集団の人々がある一定の栄養状態を維持するのに十分な量です。表には載せていませんが、授乳婦ではこの目安量に+400mg付加したものになります。

目標量は、生活習慣病の一次予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量のことです。カリウムの場合は特に高血圧の予防を目的にしています。

18歳以上については、目標量以上の摂取を目指し、できれば男性は1日あたり2800mg以上、女性は2700mg以上のカリウムを摂取するのが理想です。

日本人のナトリウム摂取量は、食塩換算で1日平均11g程度です。これをナトリウム量にすると、4290mgになります。

というわけでナトリウムとのバランスを考え、食塩の摂取を10g以下けトリウムで3900mg以下)にすると、さらに高血圧などの生活習慣病の予防になることがわかります。 


カリウムは高血圧を予防

カリウムはカリウムイオン(K+)の状態で、そのほとんどが細胞内液中にあります。一方、細胞外液中にはナトリウムイオン(Na+)がたくさんあり、これら2つのイオン濃度の差が浸透圧のバランスを保ち、神経細胞内や筋肉などで刺激を伝える働きをしています。

細胞膜にはナトリウムポンプがあり、細胞内にあるナトリウムイオンを細胞の外へくみだし、反対に細胞外にあるカリウムイオンを細胞の中へ取り込む機能があります。この機能により、細胞内外のカリウムとナトリウムの濃度バランスが常に保たれているわけです。

しかしカリウムが不足すると、ナトリウムポンプによる細胞内のナトリウムイオンのくみたしかうまく働かなくなり、細胞内のナトリウムイオン濃度が高くなってしまうのです。

その結果、血圧が上がったり、心筋の調節がうまくいかなくなり不整脈になることもあります。

また、カリウムは過剰なナトリウムを排泄する働きもあるため、ナトリウムを多く摂っても、あわせてカリウムも多めに摂っていれば、ナトリウム濃度がアップすることを予防できます。

逆にいうと、ナトリウムを多く摂りすぎると、ナトリウムといっしょにカリウムも排泄されてしまうため、カリウム不足になる可能性があるので注意が必要なのです。

一般的に、ナトリウムの摂取量をカリウムの倍以下に抑えるのが適切だとされています。


カリウムの98%は、細胞内

カリウムは金属のミネラルで、ヒトの体内においてカルシウム、リン、硫黄に次いで4番目に多く存在しています。

体内にあるカリウム(K)の量は、体重の約0.2%です。体重70kgの人なら、そのうちの約140gがカリウムです。

体内にあるカリウムの98%は細胞内にあり、残りの2%が細胞外にあります。おもにカリウムイオン(Kり、またはリン酸やタンパク質と結合したかたちで存在しています。

そして、前述したようにナトリウムとともに細胞内外の体液のバランス(浸透圧)を調節したり、神経や筋肉で刺激を伝達をする役目があります。

また、タンパク質やDNAの合成、心筋や筋収縮の調節、体液の酸性・アルカリ性の調節、各種酵素の活性化を助けるナトリウムの吸収を抑制し、排出を促すなどの働きがあります。

要するにカリウムはナトリウムによる血圧上昇を抑え、反対に血圧を下げる作用があるということです。

また、カリウムはナトリウムと細胞内外の体液の浸透圧を調節していることからも、カリウムとナトリウムの体内バランスを常に一定に保つことが非常に重要なのです。

通常の食生活をしているかぎり、カリウムが極端に欠乏したり、過剰になることはほとんどありません。

ただし、何度もいうように、カリウムとナトリウムをバランスよく摂取することがたいせつです。できればカリウムをナトリウムより少し多めに摂ると、高血圧になりにくいといえます。


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